こんばんは。松です。
以下、SS。
あるところに、口下手で、それでいて寂しがりなリスさんがいました。
リスさんが公園を歩いていると、他の動物さんたちが砂場で遊んでいるのを見かけました。一緒に遊ぼうと思い声をかけようと頑張って声をかけました。
「う……あ……あのっわわわたしとっ」
サルさんは首を傾げ、オウムさんは真似して言い返すばかり、ゾウさんは落ち着くように諭してくるも、遊びたいということは一向に伝わりません。
リスさんは伝えられない自分にやきもきすると共に、諭されてばかりで悲しくなり、終いにはそっぽを向いて立ち去ってしまいました。
その後、リスさんは花畑でお花で遊ぶことにしました。リスさんは手先が器用です。お花のかんむりを編むことに集中していると、後ろから声をかけられました。
「何やってるの? あ、お花のかんむり? 上手だねっ!」
貂(テン)さんに急に話しかけられてリスさんはびっくりして、上手く言葉が出せません。それでしどろもどろとしていると、貂さんはその様子を案じてこう言いました。
「驚かせてごめんね、えっと、大丈夫なら首を縦に振って、ダメなら横に振って」
リスさんは首を縦に振ると、貂さんはやや安心したようで続けて言いました。
「お花編むの上手だね! テンさんにも教えてよ!」
リスさんは予想外のことに慌てながらも、警戒心が緩んで少しだけ安心しながらこう返答しました。
「えっと、いいですけど…… リ、リスは、教えるの下手ですよ」
テンさんはこう答えました。
「いいよ、手元を見て真似するから! そうだ、そのお礼にテンがお花を取ってくるのやったほうがいい?」
リスさんは返答しました。
「い、いえいいですよ…… 一緒にお花を集めて、一緒に作りましょう」
テンは大いに喜び、リスさんもはにかんだ笑顔で一緒に遊びました。
翌日以降、テンさんは公園にはやって来ませんでした。しかしリスさんにとっては、テンさんは大切な友達なのでした。めでたしめでたし。
以上です。
私の、乃々ちゃんが絵本を書くなら「幼少期の自分の体験談をモデルにして、それを美化・ハッピーエンドにして作るのではないか」という解釈と、内気とはいえ思慮深い乃々ちゃんに友達がいなかった・絵本や童話の世界を好むようになったのは、「吃音だったからでは」という解釈から書きました。
吃音というと理解し難いかもですが、かの「不思議の国のアリス」で有名なルイス・キャロルがそうであるとされていまして、ならメルヘンな乃々ちゃんがそうであることに説得力が出ますよね?
あと、前衛的ののゆいイメージです。
ご覧いただきありがとうございました。